治療院に来られる患者さんは、みなさん「早くこの痛みをなくして、楽になりたい」とおっしゃいます。
もちろん心からの本音ですよね。
でも、どんなに丁寧に施術をしても、なぜか痛みが長引いてしまったり、一度良くなってもすぐに元に戻ってしまったりすることはありませんか。
実は、私たちの体は、自分が頭で考えていること(顕在意識)だけで動いているわけではありません。普段は意識していない心の奥底(潜在意識)にある感情や過去の記憶、そして自分が大切にしている価値観が、複雑に絡み合って今の症状を作っていることがよくあります。
先日、こうした「心と体のつながり」を、体の反射を使ってその場で見極める検査法を学んできました。改めて、人間の体って本当に奥が深いなと感じています。
頭で思うことと、体が求めていること
「治りたい」と思っているのに、なぜか良くならない。そんなとき、心の一番深いところでは、全く別の理由が働いていることがあります。
例えば、
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毎日頑張りすぎていて、体が「これ以上働いたら倒れてしまう」と、痛みを出すことでブレーキをかけてくれている
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痛みを抱えていることで、周りの人が優しくしてくれたり、気を遣ってくれたりする安心感がある
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元の元気な状態に戻ると、またあの厳しい現実に向き合わなければならないという不安がある
これらは決して、本人がサボりたいとか、嘘をついているわけではありません。本人が気づかないレベル(潜在意識)で、一生懸命に自分を守ろうとした結果、体が「症状を維持する」という選択をしてしまっているのです。
ここを置き去りにしたまま、筋肉や骨格だけを整えても、脳はまたすぐに同じ痛みを作り出してしまいます。
記憶と価値観というフィルター
私たちの脳は、過去の出来事をそのまま正確に覚えているわけではありません。そのときの感情や、その人が持っている価値観というフィルターを通して、記憶を少しずつ書き換えています。
検査の中で、過去の特定の記憶に体がパッとストレス反応を示すことがあります。でも、それは「その出来事が悪かった」というわけではありません。
「今の自分が持っている価値観が、過去の出来事をまだ受け入れられずにいる」 「当時の怖かった、悔しかったという感情を、脳が今もお守りのように握りしめている」
つまり、アプローチすべきは過去の事実そのものではなく、その記憶を縛り付けている「今の心のクセ」なんです。ここがふっと緩んだとき、長年ガチガチだった体の緊張も、嘘のように解放されていきます。
体の声を、そっと聴くということ
言葉ではうまく説明できない感情や潜在意識の領域を扱うとき、体の反射はとても頼りになる案内役になってくれます。頭での言い訳や建前を飛び越えて、神経系が今の状態をダイレクトに教えてくれるからです。
だからこそ、施術する側には、とても繊細な感覚が求められます。
単に「検査でここに反応が出ましたよ」と伝えるだけでは、患者さんはびっくりして心を閉ざしてしまうかもしれません。大切なのは、患者さん自身が「あ、だから私の体は頑張ってくれていたんだな」と、自分の心と体のつながりに優しく気づいて、納得していくプロセスをそっと支えることです。
おわりに
痛みや不調は、決して悪者ではありません。それは、心と体があなたに気づいてほしくて送っている、大切なメッセージです。
頭で考えている言葉だけでなく、その奥にある感情や記憶のシステムまで丸ごと包み込むようなケアを、これからもお届けしていきたいと思っています。自分の体をもっと愛おしく思えるような、そんな治療をこれからも目指していきますね。


